I様邸山荘リノベーションリノベーション
5世代に受け継がれる山荘
Before
おじいさまから受け継がれ、お孫さんまで集う5世代が憩う北軽井沢の山荘。
建築から50年の月日が流れても、遠方から訪れる家族を迎え入れるため、風雪に耐えてきた山荘。
何度か修繕は重ねてきたものの、このあたりで一度大きく手を入れる必要性に直面していました。
和室に面した縁側のようなデッキも朽ちてしまって、人が乗ることが出来ない状態になっていました。
屋根のトタン板金も錆が出て、所々で漏水が発生していました。
床下は湿気で断熱をおさえる薄ベニヤが崩落して、かなり痛々しい状況となっています。
和室の床を支える構造は腐食が激しく、床が数センチ落ち込み、水平が保たれていません。
床が下がり、雨シミも目立つ和室。
化粧合板に囲まれたリビングは、山荘らしい雰囲気はたっぷりです。
自然豊かな山荘だけに、お庭道具などもたくさんの玄関。
水回りは50年という歳月を経ても現役で頑張っていますが、せっかくなので少し垢抜けできるようにしてあげたい。
After
玄関
今まで出しっぱなしだった庭道具なども仕舞えるように、収納をしっかりと確保しました。
玄関ドアも入れ替えて、防犯上も安心です。
LDK
リビングの天井を抜いて高い吹き抜けを作るとともに、ロフトに上がれる梯子を設置しました。
小屋を支える梁は経年変化で味のある色味に変わり、アクセントにもなっています。
壁はすべて無垢の羽目板にすることで、先代から引き継いだ山荘の雰囲気を壊さないように、垢抜けさせました。
ロフトの中の仕上げ板は杉を使い、リビングとの空間の仕切りを演出しています。
ここから見える景色の空間的な面白さや立体感が子ども心を刺激します。
キッチンの奥にはパントリーを設けて収納力を上げるとともに、今まで外部にあった洗濯機を室内に移動させて、家事動線を改善しています。
50年使っても今だに現役なキッチンは、表面にシート張りをして、見た目を刷新しながら交換の為の費用を上手にコストカットしました。
和室
和室の壁はお施主さまと漆喰塗りをDIYしました。運気も上がるように黄色をチョイス。
布団をしまう押入は、湿気がこもらないようにルーバードアを採用。この地域特有のカビ対策を施します。
床の間部分はリビングで貼った羽目板の端材を有効利用して、木製ヘキサゴンタイルを作りました。
アールの下がり壁の裏に間接照明を仕込んで、モダンな雰囲気を演出しています。
畳は2色のヘリ無し畳を市松貼りして、今までの和室の雰囲気を大きく変えました。
見ているだけでも楽しい客間に仕上がっています。
トイレ・洗面
奥行きが狭く、扉が目の前にあったトイレは、壁の位置をずらして拡張しました。
照明やインテリアにもこだわり、落ち着きあるおしゃれな空間になりました。
洗面は既製品を使いながらも扉をシート貼りして、タイルや壁の無垢板の雰囲気を壊さないように配慮しながら、費用をおさえています。
壁に埋め込んだニッチ棚を作ることで、洗面台の上には極力物を置かずに済むように、片付けにも配慮しました。
浴室からの上がり床には、タイルを引くことで、マットを敷きっぱなしにしても床が腐食しないよう配慮しています。
外観
外観は全てをカバー工法で包みなおし、屋根や壁にはガルバリウム鋼板を採用することで、雨や積雪にも負けない耐久性をもたせています。
掃き出しなどの開口にはシャッターを設置して、防犯性能や操作性も今までの雨戸に比べれば格段に向上しました。
森に囲まれた北軽井沢の山荘。
これからもたくさんの家族の時間を積み重ねていけますように、心を込めてお仕事をさせて頂きました。
ありがとうございます。